モラハラ夫から自己を守る

「それってモラハラだよ!!」友人のひと声で私は目が覚めました。

 正直、家庭の実情を人に話すということはとてつもなく勇気がいることです。なにも恥ずことなんてないのに、なにか恥をさらすような感覚と何かが壊れてしまうような恐怖心。でも誰かに助けを求めなければ、私が壊れてしまう。4歳と7歳の子供を抱えて私が倒れるわけにはいかない…!

 今これを見ているあなた、いつの間に心が擦れていませんか?何が原因なのか気づいていますか?間違っても自分自身を責めてはいけません。感情的に動いてしまう前に、まずは今陥っている精神的負のスパイラルを知りましょう。

一言でいうと、”精神的虐待”

 家庭や職場とあらゆる社会生活の中において、言葉や行為によって相手の人格や尊厳を傷つけ、精神的にさらには肉体的にも追い込んでいくことです。職場においては業務効率や企業イメージにも影響を及ぼし、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントもこのモラハラの一種とされています。

では具体的には?

 何かイラついたことがあると、物に当たる夫。結婚前にはナイフやフォークといったカトラリーを投げつけられたことがあります。なぜそのときに別れなかったのか…恋は盲目とでもいうのはこういうことなんでしょうね。この場合の”離れられない”というのはもはや依存状態です。

 私の場合を少し具体的にお話しますが、今気が滅入っている方は無理せずとばしてお進みくださいね。亭主関白気質ではあったものの我が家は結婚して子供が産まれ、少しは落ち着いたはずでした。しかし基本的性格は変わりません。機嫌が悪ければ当たり前に態度に出る。無視する、口調が荒れる、物にあたる…こうして植え付けられていったものが恐怖心。そのうち朝起きた時、泥棒が入ったのかというほどリビングがめちゃくちゃになっていることも何度もあり、少しの物音でも起きてしまう状態に。睡眠にまで影響を及ぼしてくると、夫からの着信表示を見るだけでも同じ空間にいるだけでも動悸がするようになりました。息が苦しい、胸もきゅっと締め付けられている気がする。もうこうなってしまっては、ただひらすらに怖くて夫を目の前にして言いたいことも言えないわけです。

本当は、今すぐにでも家を飛び出したかった。

 いつ自分の荷物をまとめてどのタイミングでひとり家を出るのか、そんなシミュレーションを何度も繰り返していた精神的病み期。日頃から子育てはフルワンオペなため家事と育児には困ることはなかったのですが、自営の仕事をしている私の収入は不安定なため経済的不安が大きかったのです。これが理由の1つめ。この壁に頭を抱えている人が多いのではないかと思います。妊娠・出産はおめでたいことでありながらも、女性のキャリアを分断しライフワークバランスを見直さざるをえないライフイベントです。理解のある環境だったとしても、子供の急な体調不良や学校からの呼び出しや行事にとそれまでの働き方通りとはいかないはず。可笑しな話ですが、そうして女性は経済的弱者となりやすいのが実情です。

 モラハラをしている側が一見正論を言っているような、こちらに考える隙を与えないのもモラハラ気質のある人の特徴です。日常的に浴びせられる否定的な言葉や態度はアイデンティティを蝕み、「自分が間違っているのだ」と強い自己否定感を植え付けられていきます。そうして1人で育てていけるのか守ってあげられるのかという精神的不安にも繋がります。

 考えることのひとつひとつが完全にマイナスのほうへ。この精神状態で離婚を考えるのですが、ちょっと待って!疲弊した状態での見切り発車な行動は、自分の首を絞めてしまうかもしれません。結婚する時より離婚することのほうが時間も労力も消費する。私にとってはこれもまた大きな壁となっていました。

・幼少期、モラハラが日常的な環境にいたため、抵抗感や罪悪感がない。

・他者を見下すことで優越感を得ようとする。

・自他の境界線の欠如。

・共感力が著しく低い。

・自分が優位に立つことで、存在意義を確かめている。

 人によって色々なケースがありますが、どれもその人の根幹にあるもので他者がその人格をかえることは並大抵のことでは叶いません。また浮気や不倫をする人も多くみられます。

 モラハラは怖そうな人に限りません。プライドが高く自己利益を大事にしているため、周囲からはよく見られたい傾向があります。猫かぶりってやつですね。そのためせっかく勇気をだして打ち明けた人から、「まさか!」「あの人が?」という反応を受けるかもしれません。助けを求めるのは、専門のカウンセリングや心療内科や行政の相談窓口、あとは客観的に意見を言ってくれる友人がよいと考えます。今までその人格で生きてきた相手を変えるのはほぼ無理でしょう。安心な距離をとれれば良いのでしょうが、前に述べた経済的・精神的な不安感から脱することは自力では難しい。実際に、自尊心を傷つけられボロボロな私は自己否定の沼にはまって身動きがとれない状態でした。直接的な解決に至らなくても、まずは心の負担を小さくすることが大事です。あなたは悪くない。理不尽に削られていったアイデンティティを取り戻しましょう。

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